栄養療法と食事療法や薬の違い

栄養療法は1960年代から発達障害、うつ病、がんの治療など幅広い分野で実践されている分子整合栄養医学に基づいた療法だ。体内の栄養バランスの乱れが病気や症状の原因であると考え、栄養素を用いて体内の細胞を構成する分子のバランスの乱れを整える。栄養療法では薬を使用せずに、人間が本来持っている自己回復力を促進させて体の不調を改善していく。人間の体内には約60兆個の細胞があり、それらの働きを向上させることで人間の自然治癒力を最大限に引き出すのだ。

食べ物を用いた療法という面では食事療法と似ているが、食事療法では本来の自然の摂理に沿った食事を摂取し、不足している栄養や必要な作用を持つ食べ物を食事に取り入れる。その一方で栄養療法は日頃不足している栄養素をサプリメントや栄養強化食品を用いて補う療法だ。栄養素の中には食事から摂取するだけでは足りない栄養素がたくさんある。

栄養療法は薬を用いた治療方法とも異なっている。薬を使用した治療を行う場合治療する目的物として具体的な病気が存在しているが、なんとなく体の調子が悪いと感じた時に薬で治療することはできない。栄養療法の場合、体が弱って病気になってしまう前に栄養バランスを整えることで健康状態を守る。栄養不足は病気や老化、炎症の原因になる為、栄養療法では栄養バランスを整えて健康状態が崩れないように保つ役割を持っている。栄養療法では薬のような副作用が発生する心配もないのだ。